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文字通りコレステロールを下げるのが役目の「コレステロール降下薬」ですが、多くの人が処方されている「スタチン」と呼ばれるタイプのものは、肝臓でのコレステロールの生成を阻害することで、血中のコレステロール値を下げます。その際LDL(Low Density Lipo-protein いわゆる悪玉コレステロールだけでなく、HDL(High Density Lipo-protein いわゆる善玉コレステロール)も関係なく減らします。スタチンにより心血管系の疾患になるリスクを下げると言われています。。。

が、

ホントにコレステロールを下げることは身体にとっていいことでしょうか。

コレステロールはホントに悪者なのか。

散々目の敵にされてきたコレステロールですが、食事から摂取するだけでなく多くが体内で合成されています。悪いだけのものだったらそもそも身体は造りません。

コレステロールは体内で造られるビタミンDやステロイドホルモンの原料であるだけでなく、全ての細胞の細胞膜を始めとする生体膜にも含まれそれらの機能を高める働きがあります。特に神経細胞には欠かせないもので、成人の体内のコレステロール量の4分の1が脳に集中しています。

スタチンによりコレステロールの合成を阻害しそれらの細胞やホルモンに影響を与えることにより以下のような副作用が起こりえます。

  • 筋肉の痛み、損傷 (一番多い副作用。筋肉の痛みやダルさ、弱さなど。軽度なものから生活に支障を来す重度のものまである。)
  • 肝臓の損傷
  • 消化系の問題
  • 血糖値の上昇
  • 神経系の問題 (感覚の変化や痴呆など)

等々があります。(全米で最も優れた病院に数えられているメイヨークリニックのウェブサイトから引用)

コレステロールと動脈硬化の関係。

コレステロール値が高いと動脈硬化になりやすいと漠然と信じられていますが、実際どのようなメカニズムでおこるのでしょうか。単純にコレステロールが固まりになって血管に詰まるのをイメージする人がいるかもしれませんが、違います。

血管が詰まるのには大きく2つのステップがあります。

  1. 炎症反応により血管が傷つく。
  2. 傷ついた血管がコレステロールにより補修される。

このステップ2のコレステロールの蓄積が続くと動脈硬化に繋がり血管が詰まったり破れるという仕組みです。

コレステロールが動脈硬化の犯人だから減らそうというのは、まるで放火の現場で一生懸命火を消している消防士さんを放火犯だと言って引っ捕らえるようなものではないでしょうか。

動脈硬化を予防する上で注目すべきなのはステップ1の血管内の「炎症」です。

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真犯人「炎症」を抑える為に。

ちなみに炎症自体は身体がダメージから治癒する過程で必要なものです。それが正しく機能していなければ単純な怪我や感染症が致命的なものになりえます。

しかし、炎症が慢性的に続く事が問題です。

その原因となっているものとして

  • 喫煙
  • 運動不足
  • 質の悪い油  トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニングなど)、酸化した油
  • 加工食品
  • 砂糖

などなど。

それをわかった上で以下のような対策があります。

  • 禁煙
  • 適度な運動
  • オイル交換 (トランス脂肪酸などのような質な悪い油は取らず、オリーブオイル、ココナッツオイル、フィッシュオイルなどを積極的に摂る)
  • 白い粉をやめる (精製された砂糖や小麦粉は食後血糖値を急激に上げ、炎症を促進する物質を増やします。出来るだけお菓子やジュースは減らし、パンは全粒のものを選ぶようにする。)
  • 野菜や果物を取る (野菜や果物に含まれるフィトケミカルは抗酸化作用を持つものも多く、細胞への酸化によるダメージを減らすことから炎症も減ります)

スタチン飲んだら老けるってよ。

ニューオーリンズにあるTulane大学で幹細胞の研究を行っているReza Izadpanah教授によるとスタチンは幹細胞の分化を妨げ、細胞は必要な機能を発揮する事なく老化し、アポトーシス(細胞死)を起こしたそうです。

“Statins impair the osteogenic and chondrogenic differentiation potential of Mesenchymal Stem Cells (MSCs), increase cell senescence and apoptosis.”  “Statins also impaired the expression of DNA repair genes including XRCC4, XRCC6, and Apex1.”

TECH timeの記事より引用

Reza Izadpanah教授は言っています。

“People at high risk of heart disease can reduce this risk by taking statins. However, considering the adverse effects of these drugs and their association with so many side effects, it is crucial people are fully aware of the risks before they take the treatment.”

「心血管疾患のリスクの高い人はスタチンによりリスクを減らすことができます。しかし、それら数多くの副作用との関係性を考えた時に、人々は事前にリスクを完全に把握する事が極めて重要である。」と。

スタチンが適用の人?

これまで散々スタチンをディスってきましたが、別にスタチン自体が悪いというわけではありません。あくまでツールの1つということで使い方が重要です。例えば以下の例に当てはまるような人にはリスクとメリットを天秤にかけた時にスタチンを処方した方がいい場合もありえます。

  • 過去に心血管系疾患を患ったことがある
  • 糖尿病患者

その他の心血管系疾患のリスク要因に複数当てはまる人(ただしこれらの多くは自分の裁量で改善できうるもの)

  • 喫煙
  • 運動不足
  • 高血圧
  • 肥満
  • 家族の心血管系疾患の病歴

先ほどリスクとメリットを考えた時と書きましたが、それらは個々人の価値観によって変わります。たとえ上記のリスク要因に複数当てはまっていようと副作用のデメリットのことを考えたら飲みたくないって人もいるでしょうし、逆に絶対心血管疾患だけはなりたくないって方もいるでしょう。そういった価値観は人それぞれ違うことから、何を選択するか決めるのはお医者さんでもないですし、僕たちカイロプラクターでもなく「あなた」です。

コレステロールの問題に限らず、個人の健康は個人が責任を持つ必要があります。あらゆる物には両面性があり、良い面も悪い面も理解した上で個人の責任で選択しましょう。

参考:

http://www.express.co.uk/life-style/health/608210/statins-age-you-faster-new-research-suggests-long-term-use-warning

http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/high-blood-cholesterol/in-depth/statin-side-effects/art-20046013