ちょっとしたゆとりの大切さ

進化論を唱えたダーウィンが言ったとか、言わなかったとかで、しばしば引用される言葉があります。

「この世に生き残る生物は、最も強いものではなく、最も知性の高いものでもなく、最も変化に対応できるものである。」

このフレーズはカイロプラクティックでもよく引用されます。

人間の身体は外界が変化するのに対して一定の状態を保つ性質(「恒常性」や「ホメオスタシス」と呼ばれます)を持っています。

例えば、気温が下がれば、体表の血管が収縮することで血流により深部から熱が逃げないようにしますし、筋肉が収縮することで発熱し体温を維持するようになっています。

ウイルスや細菌に晒されれば、体内の白血球や、免疫グロブリン、その他のタンパク質などが殺菌、排除します。

ホメオスタシスを成立させているのは、

「変化を認識する能力」

「情報を必要な部位、細胞に伝達する能力」

「必要に応じて効果器と呼ばれる細胞や器官を動員する能力」

の大きく3つにわけることができます。カイロプラクティックは主に伝達する能力を担う神経機能の最適化に大きく貢献することで、適応能力のキャパシティーを拡げます。

話は変わって、現代社会は劇的な変化の過渡期にあります。変化の要因は大きく二つあります。一つは産業革命なみの変化をもたらそうとしているAIをはじめとする情報技術の発展、そして二つ目はウクライナ戦争に端を発する国際的な枠組みの変化です。

社会はこの5年から10年で一気に変化すると予測されます。仕事や生活が大きく変わる人も増えるでしょう。変化の渦中で、生活の恒常性を保つためには、身体と同じく「変化を感知する力」「自身に落とし込んで考える力」「対処する力」が必要となります。このためには、日々の仕事や家事、育児に割くのとは別の「ゆとり」が必要となります。

たとえば、時間的ゆとり、経済的ゆとり、身体的ゆとり(健康)…いずれもバランス良く大切です。子どもや家電に家事を手伝ってもらう、コンビニ弁当や外食の頻度を減らして簡単に自炊してみる、セルフケアの時間を一日10分テレビを見ながらでも確保する。そういった小さな習慣を継続すると、年単位で蓄積される“ゆとり”は全く違ってきます。

加えて、変化に慣れることも大切です。心理学的にも、人間は恒常性を好むようです。環境の変化を避けたいと感じる自分に気づいた時、あえていつもと違うメニューを頼んでみる、いつもと違う道を通ってみる、新しいコミュニティに参加してみる、副(複)業をしてみる。そんなごく小さな変化を意識的に取り入れることで、大きな変化への抵抗やストレスを軽減することができます。ぜひ可能なことから始めてみてください。

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