頻尿、排尿痛、血尿
などの症状のある女性に特に多い膀胱炎には、昔からクランベリーが効果的だと言われます。
日本ではあまり見かけないですが、アメリカではどこのスーパーにもクランベリージュースを置いてます。
あまり健康に良く無さそうな見た目ですが、アメリカのものは基本こんな感じです。
大学の授業でも「尿路感染症にはクランベリージュース」と教えられましたが、最近はジュースの場合は効果が期待出来ないことが示唆されており、糖分の過剰摂取にもなることから、 代わりにサプリメントでの摂取が奨められています。
クランベリーの尿路感染症に対する効果研究(RCT)
テキサス州ヒューストンにあるTexas A&M Health Science Center College of Medicine(テキサス A&M 健康科学医療センター大学?)で2011年から2013年にかけて、婦人科手術を受けた23歳から88歳の160人を2つのグループには分けて研究が行われました。
グループA
一日2回2錠ずつクランベリーサプリ(クランベリージュース8オンス、約230ml分)
グループB
同様の方法で偽薬(見た目ではわからない、飲んでも効果のないカプセル)
をそれぞれ術後6週間摂取し、尿路感染症の発症率を比較しました。
結果
偽薬のグループが感染症を発症したのが38%に対し、クランベリーサプリを飲んだグループは19%に留まりました。
160人というあまり大きくない研究ではありますが、発症を50%に抑えられたというのは十分有意な結果ではないでしょうか。
メカニズム
クランベリーに含まれる”proanthocyanidins”「プロアントシアニディン」と呼ばれるポリフェノールの一種や「D-マンノース」と呼ばれる糖が、膀胱炎の原因菌が膀胱内表面にくっつくのを防ぐことで、感染リスクを減らすのではないかと言われています。
しかし、研究を率いたDr.Booneによると効果を期待するには高濃度のクランベリーが必要で、祖父母世代が飲んでいたジュースは濃度が高かった為効果があったかもしれないが、最近スーパーで売られているジュースは濃度が低いため有効成分が膀胱に届かないので、水分摂取による排尿で細菌を排出するだけであるとのこと。
効果を期待するにはサプリメントとして摂るのが好ましいようです。
結論
通常膀胱炎に対しての治療は抗生物質が用いられますが、抗生物質自体の副作用や耐性菌(抗生物質の効かない菌)の問題を考えるとクランベリーサプリによる予防は一考に値すると思います。サプリであれば手軽に摂取出来ることからも繰り返し膀胱炎を経験している方は試してみてはいかがでしょうか。
※尿路感染症は複雑化すると腎盂腎炎など重篤化することもあるので、上記の症状に加え、背中や腰の痛み、発熱を伴う場合は早急に医療機関を受診して下さい。
クランベリーに関してはまだまだ有効性を確定出来る根拠が少ないので、今後更に大きい研究や、慢性膀胱炎への効果性を調べる研究を期待します。
参考: