小学生の頃家庭科のクラスで、チーズケーキだったか、何だかのお菓子を作ってた時に「マーガリンは植物性の油を固めたものだから、バターより健康的で値段も安いんですよ」といったことを先生が説明していたのを今でも覚えてます。
そして、未だに周りに聞くとバターに対してそういったイメージを持ってる人が多いこと。
しかし、それ実は身体に良くないかもしれません。
正確にはマーガリンに含まれるトランス脂肪酸と呼ばれる物が有害な訳ですが。
植物油に水素を付加して常温でも固形状に保てるように加工する上でトランス脂肪酸が生成されマーガリンやショートニングに多く含まれます。
アメリカを初め多くの国や地域ではトランス脂肪酸の使用を制限もしくは、禁止しています。トランス脂肪酸はマーガリンやショートニングのように人工的に加工されたものだけに含まれる訳ではないですが、現代人が摂取するトランス脂肪酸の多くはそれら由来のものが多いです。
アメリカにいた頃、あらゆる食品にNo trans fat(トランス脂肪酸不使用)の文字を見かけました。あのマク○ナルドですら、その表示が店内に貼られている程です。
なのに、何故日本では未だに喫茶店やレストランでトーストを注文したらマーガリンがついてくるのか・・・
ネットで検索すれば情報は山ほど見つかりますし、一部企業ではトランス脂肪酸の低減を発表しているところもありますが、まだまだ一般の人々には浸透していません。
トランス脂肪酸の有害性
では実際どのような害があるのかというお話です。
トランス脂肪酸はLDLを増やし、HDLを減らすと言われています。
LDLは、いわゆる悪玉コレステロール、HDLは善玉コレステロールと言われているものです(本来身体が必要に応じて作ったものに善も悪もないですが)。
LDLはコレステロールを肝臓から全身に運び、HDLは全身から肝臓に運びます。LDLが増えることは、動脈硬化の原因の一端を担います(あくまで一端です)。
それに加えて、トランス脂肪酸により細胞の分化と成長に関わるタンパク質、TGF-betaが抑制されることも動脈硬化の原因ではないかと言われています。細胞の分化と成長を阻害するということは、その細胞が本来持つ機能を発揮できなくします。血管の細胞は固くなり、しなやかさを失い、詰まったり破れ易くなります。
何故トランス脂肪酸含有の油は使われるのか
単純に安価で貯蔵期間も長いからです。特にコストを低く抑えたい外食産業なんかでは、使用が多くなるのは当然ですよね。
しかも、植物性だから健康的ってイメージがあればお高くて健康にも悪そうなイメージのあるバターじゃなくてマーガリンを選ぶ人がいるのもうなずけます。
日本の現状
日本では、諸外国と比較して食生活におけるトランス脂肪酸の平均摂取量は少なく、相対的に健康への影響は少ないと言われているからか、今まであまり大々的に扱われておらず、ごく一部の企業がトランス脂肪酸低減に取り組んでいる程度で、政府や地方公共団体、業界団体は特段の規制を行っていないのが現状です。
現状、トランス脂肪酸の摂取量をゼロにすることはかなり難しいと思います。外食が多い人なんか特に。
100gあたりトランス脂肪酸の含有量が0.3g以下の場合商品の表示には0gと表示しても大丈夫なことから、トランス脂肪酸を避けているつもりでも微量とは言え摂取していることもありますし。
FDA(アメリカ食品医薬品局)は、これ以下なら大丈夫といった指標はなく、摂取量は低ければ低い程好ましいと言っています。
あんまり気にしすぎると食事が楽しくなくなってはどうかと思うので、
2点だけ心に留めて欲しいです。
- マーガリン、ショートニングなど人工的に加工された油はできるだけ避ける
- 加工食品全般できるだけ避ける(加工される上でトランス脂肪酸含有の油が使われることが多い、その他添加物や糖も多いですしね)
と、まぁ基本的なお話になりますが、
以上トランス脂肪酸に関してでした!
参考: