自身の母校という訳ではないですが、地元香美市にある公立山田高校が去年12月20日にあった全国女子高校駅伝で高知県勢過去最高の7位を記録したそうで、地元民としては明るいニュースにほっこりしました。
僕自身は学生時代は走ることが嫌いで、嫌いで。今の時期は持久走が体育の時間にありましたが、高校2年の最後の持久走が終わると、もう一生こんなことはしなくていいんだと喜んだもんでした。
しかし、人間変われば変わるもので、去年なんと初のフルマラソンである龍馬マラソンに参加し何とか無事完走。今年はハーフですが2週間後に丸亀マラソンを走る予定です。
さて、あくまで趣味として走っている僕の話は置いておいて、競技者の方としては色々身体に関する心配事もあるんじゃないかと思います。なのでランナーに特有に問題に関することを書こうかと思ったんですが、今回はランナーも含めた女性アスリート特有の問題を取り上げます。
女性アスリート三主徴症候群とは?
女性アスリートに多い、3つの関連した問題
- “low energy availability” 「利用可能エネルギー不足」
- “amenorrhea / oligomenorrhoea” 「無月経/希発月経」
- “osteoporosis / osteopenia” 「骨粗しょう症、骨減少」
合わせて、”Female athlete triad”「アスリート三主徴症候群」と呼び、女性の一生涯に関わる深刻な問題です。
根本的な問題としては、摂取するエネルギーから消費エネルギーを引いた、身体の様々な機能に必要なエネルギーが不足している状態が生理不順や無月経を引き起こします。そして生理不順や無月経による体内のエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの低下は骨密度の低下に繋がります。
原因
- 食事は摂っているが運動によるエネルギーの消費の方が大きい。オーバーワーク
- 体重を減らすための過度なダイエット
- 精神的な問題による摂食障害
などがあります。
サイン、症状
- 体重減少
- 生理不順、無月経
- 慢性疲労
- 疲労骨折
など思い当たる人はアスリート三主徴症候群かもしれません。
将来的な問題に
アスリートの皆さんは少しでもパフォーマンスを上げる為に必死です。
フィギュアスケートや体操選手なんかは少しでも細く見えるように。陸上選手は体重を落とす事がパフォーマンスの向上に繋がると信じて、食事制限をして体重を落とします。しかしそれが行き過ぎると短期的なメリットもほとんどないばかりか、長期的なリスクは甚大です。
無月経は卵胞や黄体の機能の低下に繋がり将来不妊症になるリスクを上げます。
骨密度は20代のピーク時まで蓄積して、あとは減っていく一方になります。女性の場合は閉経後急激に骨密度が低下することから、男性よりも骨粗しょう症になり易い傾向にあります。ただでさえそういったことがあるのに、成長期真っ只中の子ども達が食事制限をして若いうちから骨密度が低いとどうなるか、、、みなまで言わなくても想像に難くないと思います。
解決方法
アスリート三主徴症候群を解決する為には医者、栄養士、カウンセラーなどの医療チームだけでなく、コーチや顧問、家族や友人の理解、サポートが重要です。
生理不順の問題に対して経口ピルを奨められることもあるかもしれませんが、エネルギーのアンバランスという根本的な原因を覆い隠すだけになりかねません。
基本としては
運動量の調節
ケースによりますが、10%〜の運動時間、量を減らす
食事内容の見直し
食事量、摂取カロリーを増やす。これもただ摂取カロリーを増やしたら良い訳ではありません。お菓子やジュースのような”empty calorie”「栄養価のない空カロリー」ではなく、質の高い油、タンパク質、炭水化物をバランス良く摂取する。骨密度にはカルシウムやビタミンD等も関わっているので、それらを含むものを基本的には食事から、必要に応じてサプリを摂る。
目の前の勝負や記録ももちろん大事ですが、長期的な視点を持って選択して頂けたらと思います。