カイロプラクティックは科学・技術・哲学を三本柱に成立しており、一つも欠かすことはできません。今回はそれらのうち科学についてのお話です。
現代医療においてエビデンスが重要とされるのと同じようにカイロプラクティックにも科学的なエビデンスは欠かせません。大学で学ぶ、解剖学、生理学、化学、微生物学、放射線学等々は医学部と同等のものを履修します。
それら基礎医学に基づいて、臨床に当たっては、それぞれのケースに併せて必要な検査(整形外科的検査、神経学的検査、カイロプラクティック検査、レントゲン検査、必要であれば血液検査等)を行います。
似たような症状であっても、その根本原因は実に多様です。神経圧迫(抹消・中枢)でも原因は筋肉、関節、骨変形のどこでも起こりえます。神経系の機能不全であればサブラクセーション(脊椎関節機能不全)が原因なものもあれば代謝(血中酸素濃度、血糖値、栄養学的な問題)の問題もありえます。骨の変形、脳血管疾患、癌等の器質的な問題はカイロプラクティックの範囲外となりますので、それらが原因と疑われた場合は専門の病院に掛かることをおすすめしますが、多くの場合はその手前である機能的な問題(組織や細胞が本来果たすべき機能が正常に働いていない状態)が原因となっておりお役立てできると思います。
個々人によって異なるそれらの問題を探求し、カイロプラクティックによるアジャストだけでなく、その人にとって必要なケア(栄養・運動・生活指導)を的確に行うことが必要とされます。そのエビデンスとして基礎医学やリサーチに基づくこともあれば、各々の臨床経験も重要です。ただ日々漫然と臨床をこなすのではなく、それらの経験を蓄積し、最新のリサーチ内容を吸収し、その精度を上げていくことが重要とされています。