最近膝の痛みを訴えて来られる患者さんが続いたので、膝の痛みについての記事を。
老若男女、多くの方が悩んでいる問題ですが、一言で「膝の痛み」といっても色々な原因があります。
小学高学年で膝の痛みを訴えてやってきたケース(オズグッドの診断歴)
病院でオズグッドと診断されたけど、経過観察ということで何も処置を治療を受けなかったとのこと。
オズグッド(Osgood-Schlatter Desease)とは10代前半、成長期真っ只中の男女に良く起こり、所謂「成長痛」と表現されることが多いものです。
走ったり、ジャンプすることの多いスポーツ(野球、サッカー、バスケ)をしている子に特に多く、膝蓋腱(膝のお皿からの腱)が頸骨に繋がる部位に繰り返し負荷が掛かり、まだ完全に骨化していない部位に損傷が起こり痛みがある状態です。左右両側とも起こる場合もありますが、片側だけのケースも多いです。
成長に伴い骨が丈夫になるにつれて、炎症や痛みは引きますが、痛みを無視して必要な休息を取らず無理を続けると骨の変形や、酷い場合では剥離骨折も起こりえます。
対策としては第一に適切な休息を取ることです。まだ身体の出来上がっていない時期に無理をすることは膝の問題に限らず、将来そのスポーツを続けていく上で様々な障害に繋がります。監督やコーチ、親御さんには子ども達の将来の事を考えて練習の頻度、時間、程度を調整して頂ければと思います。
加えて、練習前のストレッチ(特に大腿筋)、プレー後の痛みのある箇所へのアイシング、プレー中の膝バンドの使用等によって損傷部位への負担軽減を行います。
上記のケースでは、背骨のアジャストに加え、筋膜リリースを行い、上で述べたアドバイスを行った事で2、3回のケアでほとんど痛みを感じない程度になりました。
スポーツ時の膝の故障・変形性膝関節症
スポーツをしてる人に多い(特にバスケ、サッカー選手)十字靭帯、半月板の損傷等は程度にもよりますが、手術が必要になって来る場合もあります。
微細な損傷の場合は自然に治ることもありますが、それらの組織には回復の為に必要な栄養分を運ぶ血管が十分通っていないため損傷が起こった場合、自然治癒がどうしても難しい部位であり、手術のメリットとリスクを天秤に掛けた上で手術を受ける選択をする人もいるかと思います。手術のことに関しては専門外なので、整形外科医などの専門家の意見を聞いて頂ければと思います。
カイロプラクターとして
しかし、そういった手術を必要とする故障の場合でもその他の問題を同時に抱えている場合が多く、カイロプラクターとしてサポート出来る事もあります。
- 膝周りの筋肉群の故障・機能不全
- モーターコントロール(身体の部位毎の適切な神経コントロール)の問題
- 下半身に限らない体全体のアラインメントの問題
こういった問題は「変形性膝関節症」と診断を受けている方にも共通してあることが多く、それらを取り除く事によって損傷部位の回復のサポートを行います。膝だけを見るのではなく、足首や股関節等の近接の関節はもちろん、背骨の問題を含め全身を分析、評価しケアにあたる事が重要です。アジャストや筋膜リリースによる背骨や四肢へのケア、その上で個々人に適した身体の使い方やエクササイズの指導を行います。
再発防止の為に正しいケアを
膝に限らず、身体のどこの部位でも一度故障すると再発のリスクは高まります。スポーツをしている方は耳にすることがあるかもしれませんが「肘、肩、膝を始め身体の関節は消耗品」と例えられます。でも機械とは違い身体のパーツは簡単に交換というわけにはいきません。適切なケアを受け、正しくトレーニングを行う事で長期間良い状態を保つことはもちろんパフォーマンスの向上に繋げましょう!
参考:
Mayo clinicウェブサイトhttp://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/knee-pain/basics/definition/con-20029534
Dr.Oumiのブログhttp://ameblo.jp/kens-sportschiro/entry-12086876780.html