めまいを経験したことがある方は珍しくないかと思いますが、めまいと言っても様々なタイプ、原因のものがあります。
その中で、カイロプラクターとして臨床で関わりが深いものとして「頚椎原性めまい」というものがあります。
以前、「頚椎原性頭痛」というものを取り上げましたが、「頚椎原性めまい」も同様に頚椎に原因のある問題です。
今回は頚椎原性めまいの「症状」「メカニズム」「検査方法」「治療法」「カイロプラクティックによるアプローチ」について書きたいと思います。
症状
症状の種類や程度はケースによって異なりますが、
「めまい」や「不安定さ」に加え「頸部の痛み」「頚椎の可動域低下」「耳鳴り」「頭痛」「思考にモヤが掛かっている」等の症状を伴うことがあります。
「めまい」の中には、自分や世界がぐるぐる回転しているような感覚のものと、自分の体がふわふわしているのうな感覚のものとありますが、頚椎原性めまいは後者の「ふわふわ」した感覚を訴える方が多いです。
メカニズム
頚椎の問題からめまいが起こるメカニズムとして3つのことが考えられています。
⒈頸部の交感神経鎖への刺激から脳への血管が収縮して起こる血流障害
⒉頚椎のゆがみによる椎骨動脈への圧迫に起因する椎骨脳底動脈循環不全(脳幹や小脳への血流障害)
⒊サブラクセーション(背骨の問題)により変化した頚椎関節からの固有受容感覚(動作情報)と、内耳(前庭や三半規管といった頭部の動きを感知する器官)からの情報とのミスマッチ
検査
残念なことに頚椎原性めまいの確定診断となる検査方法はありません。他のめまいを引き起こす疾患の可能性を除外する検査( CT、 MRI)を行い、発生機序を特定するためには問診や整形外科的検査が重要となります。上記の椎骨脳底動脈循環不全の検査には頸部超音波検査を用いることもあるようです。
治療
病院では、椎骨脳底動脈循環不全に対しては血流を良くする為に脳循環・代謝改善薬や自律神経調整薬等を処方するようですが頚椎へのアプローチを取っている所は多くはないようです。
オーツリーカイロでは
オーツリーカイロにめまいを訴えて来られる方は、ほとんどの場合既に医療機関での検査、治療を経て、それでも改善が見られず藁にもすがる思いで来られるパターンが多く、そういった場合内耳系や中枢神経系の器質的な疾患に起因するめまいの可能性は除外されます。その為、頚椎原性めまいのメカニズムと密接に関係している上部頚椎はもちろん、背骨全体、ひいては全身の筋骨格、神経系の機能検査を行い、見つかった問題の解消を目指すアプローチを取ります。その結果としてめまいの改善が起こることは珍しくありません。
カイロプラクティックはもちろん、徒手療法全体が軽視されている日本の医療業界ですが、海外では頚椎原性のめまいに対するカイロプラクティックの有効性を認める質の高いリサーチも行われています。
めまいを訴えて医療機関に長期間掛かっているけど改善がみられない。そんな方はぜひご検討頂ければと思います。
参照:
⑴https://www.jstage.jst.go.jp/article/jser/73/3/73_117/_pdf