慢性的な肩首のコリ、痛みにお悩みで来院。
来院期間:3ヶ月(7回)
所見と経過:
初回検査では上部胸椎を中心に8箇所の脊椎関節機能不全を確認。
主訴と直接関係があるであろう肩甲挙筋や斜角筋群(首の筋肉)の緊張と合わせて、臀筋群(お尻の筋肉)や股関節の緊張、可動不全も見られました。
研究職という職業柄一日10時間以上座っているということで、典型的なアッパークロス、ローワークロス症候群であることから、カイロプラクティックケアと併せて、姿勢改善と筋肉のバランス改善のトレーニングを指導しました。
症状自体は初回アジャスト終了後には随分緩和したとのご報告をいただき、5回目には症状だけでなく姿勢や可動域など全体の状態が良い状態で安定してきました。
7回目来院時の再検査では、首肩の痛みは無くなっているとのことで、脊椎関節機能不全は5箇所に減少していました。
それに併せて下の写真のように、首周りの可動域だけでなく、腰の回旋や座位における自然な姿勢の改善も見られました。
加えて後日、「検診の際に身長が1cm伸びていた」というご報告もいただきました。
所感:
このケースは座り時間が長い現代人の典型例と言えます。
人間の身体は農耕時代や狩猟時代から大して変化しておらず、残念ながら長時間同じ姿勢で座りっぱなしが長年続くと健康を損ねてしまいます。
今回30代ということで、まだ骨の変形が進んでいない状態でしたので改善の幅は大きいですが、40代、50代と歳を経るに連れ変形が進行し、正しい状態(身体にとって楽な状態)に戻りにくくなってしまいます。
ぜひ、今後も姿勢やセルフケアの習慣を継続いただければと思います。
身長が伸びたことについてですが、単純に姿勢が良くなったこともあるかもしれませんし、背骨が正しく動くようになると、椎間板が健康な状態となり水分量が増えることで厚みが増すことが考えられます。逆に加齢に応じて、身長が低くなるのは椎間板の水分量が落ち薄くなっていることが一因で、一番高い時より70代以上だと5cm程度も低くなることもあります。ぜひ身長の維持のためにも背骨のケアをおすすめします。