頭痛に対しての診断は基本的に症状や検査によって導き出されますが、一部の特異な性質を持つものを除き、多くの頭痛のケースでは症状や兆候が似通っていることから鑑別が難しいとされています。

リサーチベースでのカイロプラクティックケアによる有効性が認められている頚椎原性頭痛(首の問題に起因する頭痛)にお悩みの方も、その他のタイプの頭痛と混同されることで、より安全で効果的なケアを受ける機会を逸していることも少なくありません。薬による対症療法ではなく、根本的に改善しうる術があるのにそこまで辿り着くことが難しい現状をとても歯がゆく感じます。

オーツリーでは初回にしっかりと検査、分析を行い頭痛のタイプをある程度判別した上で、どの程度改善する可能性があるかというお話をします。

以下実際に頭痛のケースに関してどのように評価し、対処しているかに関するお話です。

レッドフラッグは見逃さない

カイロプラクターとして頭痛にお悩みのクライアントさんと向き合う際、まず最も重要となるのが、命にかかわる重大な疾患(脳腫瘍や髄膜炎、巨細胞動脈炎、くも膜下出血、動脈解離)の可能性を示す「レッドフラッグ」を見逃さないということです。

(1)経験したことのない突然の頭痛

(2)思い当たる原因のない頭痛の悪化

(3)熱、首の硬さ、発疹等を伴う頭痛

(4)典型的な頭痛の前兆現象とは異なる神経サインを伴った頭痛

(5)咳やお腹に力を入れた時に起こる中度〜強度の頭痛

(6)妊娠中または出産後すぐに発症した頭痛

これらのレッドフラッグに当てはまる場合は早急に適切な医療機関に送る必要があるので、めったにあることではないですが常に心に留めておかなければいけません。

頚椎原性頭痛の評価

群発性頭痛、発作性偏頭痛”paroxysmal hemicrania”、オーラ(前兆現象等)のある偏頭痛を含め、いくつか頭痛のタイプは症状や兆候の特異性から容易に頚椎原性頭痛と鑑別することができますが、最も多い緊張性頭痛やその他の頭痛との鑑別が難しいとされています。国際頚椎原性頭痛学会により規定された頚椎原性頭痛の特徴を以下に記しますが、他の一般的な頭痛にも共通して見られるものもあり検査結果等を含めたトータルの情報を元にした判断が必要となります。

①頚椎と関連した症状や兆候を持ち、
a.首の動作や、首に負担の掛かる姿勢
b.上部頚椎や後頭骨への外部から圧迫
により悪化する。

②頚椎関節可動域低下

③片側の首、肩、腕の痛み

④首の傾きがない状態での片頭痛

⑤首から始まる中度〜強度の非拍動性の痛み

上部頚椎への触診の様子

初回にしっかり問診と触診等の検査をした上で、頭痛のタイプを鑑別し、同時に行う背骨の分析と見合わせた上で状態の説明、施術計画の提案を行います。

カイロプラクティックの目的自体は頭痛を治すといったものではなく、背骨の機能改善ひいてはそれによって起こる神経機能改善を通しての全身の健康増進にあります。その結果として頭痛を始めとした様々な症状の改善が起こりますが、一定の期間ごとに再評価を行い、効果を実感した方の多くが身体の定期的なメンテナンスのためにケアの継続を選択しています。

 

参照:

Clinical Evaluation of Cervicogenic Headache: A Clinical Perspective