これまで背骨の問題が脳の働きに及ぼす影響について何度もお話してきました。背骨の関節の動きに異常が起こることで、脳への神経刺激が減ったり変化することで、脳の働きにエラーが起こりやすくなります。
今回、信州大学の研究者から発表された研究(1)では、認知機能の低下が横から見た時の背骨の丸まり具合を見ることで検知できるとの結果を示しました。今回の結果からはどちらが原因で、どちらが結果ということは示されていませんが、少なくともこれらの二つが相関関係(一方が増加すると、他方が増加する関係)にあることが示されています。
自分の見解としては、どちらも同時に起こっている可能性が高いと思っています。猫背の前傾姿勢になっている際は、「テレビを見る」「スマホを見る」「パソコン作業を行う」といった行動の際に多く見られます。前者の2つはもちろんですが、パソコン作業ですら脳の活動領域はかなり限定されています。
脳が最も活発に動くのは運動時であり、運動時間が少なく、猫背姿勢になっている時間が長いということは脳の活性度は低く、それが長期間継続すると姿勢も脳もその状態で硬直化していきます。姿勢の悪化も脳の機能低下も生活習慣の改善により一定は可能ですが、どちらも状態が進めば進むほど改善の程度は限定的になっていきます。
対処が早ければ早いほど良いのは確かです。とはいえ、気づいた今日が人生で一番若い日です。日々の生活の中で、少しでも身体を動かす。座りっぱなしにならない。など少しずつでも変えれるところから変えていきましょう。