姿勢

今年になって「子どもの姿勢が気になって」という親御さんが続いたので大人の姿勢の問題とは少し違う角度からのお話です。

前回の記事
「肩こり」「背中・首のしんどさ」「頭痛」 アッパークロス症候群
で大人の姿勢の問題、とそこから起こる症状等について書きました。
今現在姿勢の悪い大人達、多くの場合は子どもの頃からあった問題だと思います。
実際どうだったか、親御さんに尋ねてみて下さい。気になってた親御さん結構多いんじゃないかと思います。

今回は大人になって姿勢が原因の諸問題で悩む必要がないように、子どものうちにいい状態にしてあげたい。そんなお母様、お父様方に読んで頂ければと思います。

姿勢と脳・神経機能の関係

前回の記事は大人向けの内容(意味深)なので書いていませんが、姿勢は脳機能の成熟とも関係しています。人間は赤ちゃんの時は丸まった姿勢が普通です。これは赤ちゃんが意識的にそうしているわけではなく、身体の筋肉の多くは”Flexor”「屈筋」(屈む、丸まる時に収縮する筋肉)と”Extensor”「伸筋」(伸びる時に収縮する筋肉)に分けられますが、赤ちゃんの時は「屈筋」の方が優位な状態にあるからです。赤ちゃんの身体が成長する上で、脳が発達し、いくつもの段階を踏んだ上で少しずつ「伸筋」の働きも発達して行きます。

しかし、猫背のお子さんは「伸筋」が「屈筋」に対して弱い状態です。身体の後ろ側の筋肉の働きが弱いせいで、前側の筋肉に引っ張られていることから肩・背中が丸まります。

原因の一つとして赤ちゃんが成長の段階をスムーズに踏んでこなかったことが考えられます。生まれてから最初の数ヶ月赤ちゃんは自分の意識で行動する訳ではなく、外からの刺激に対しての反射により生きる為の行動を起こします。ほっぺたの刺激された方へ顔を向ける「探索反射」、唇に触れたものを吸う「吸啜反射」、手に触れたものを掴む「手掌把握反射」等々、「原始反射」と呼ばれるものです。

この反射が正常に働くことにより赤ちゃんは本能的に生存するための行動を起こす事ができます。しかし、こういった反射は脳が成長、発達するにつれ、数ヶ月〜1年程度で消失します。逆にこれが完全に消失しないとその後発達する筈の反射や高次の脳機能の成熟に影響を与えます。実際姿勢の悪い子ども達の検査をした際、原始反射が完全に消失していない時に見られるサインが確認されることが多くあります。

姿勢改善の為に

大前提としては、子どものうちは身体を使った様々な遊びや経験をすることがです。身体を動かし、昔ながらの様々な遊びを通して子ども達の脳は発達します。テレビゲームや携帯のゲームを完全否定する訳ではありませんが、身体を動かす事の方が満遍なく脳を刺激し、発達を促し、自然と姿勢と関わる神経・筋肉の発達に繋がります。

それができた上でプラスαとして以下のことがあります。

環境づくり

家庭で出来る事としては日々の生活の中で適宜指導して行く事は大事ですが、良い姿勢を保つ為に”Ergonomics”「人間工学」に基づいた環境づくり。椅子、机の選択、成長に合わせた調整は親御さん注意してあげて下さい。
個人的には椅子はProportion chairをオススメしています。

プロポーションチェア

個々人にあったトレーニング

上記であげた様な神経機能の問題を出来るだけ早い時期見つけ、発達を促すトレーニングの指導を行うことは、姿勢の問題に限らずその他多くの嬉しい影響を与えます。ただ、アメリカでは専門的に行っているカイロプラクターも多くいますが、日本ではまだまだ少ないのが現状です。僕自身まだこの分野は勉強中ですが、今後日本でも少しずつ増えていくんじゃないかと思います。

ロールモデル

最後に基本的なことなんですが、親御さん自身が正しい姿勢でいますか?子どもは親の背中を見て育ちます。親が勉強しないのに、子どもに「勉強しろ」と言ったり、親が食べ物の好き嫌いがあるのに、「好き嫌いするな」とか、言っても説得力ないのと同じように、子どもの姿勢を指導するならまずは自分の姿勢が正しいのか意識してみましょう。