「フレイル」「サルコペニア」「ロコモティブ症候群」最近よく耳にするこれらのワード。簡単にいうと、歳を取って体が満足に動かなくなっている状態です。それぞれの説明は他に説明してくれているウェブサイトは山ほどあるので知らない方はそちらを読んで頂くとして、今回はそんなものどこ吹く風のスーパーおじいちゃん達が自分の身近にもいるということを踏まえて、カイロプラターの自分なりに健康でアクティブな晩年を迎えるためにどうしたら良いのかを改めて考えてみました。

20〜30代よりも早く山を駆けずり回る60〜70代

というのも先日、高知県安芸市の山奥で、今回で3年目になる恒例のイノシシ狩りに参加してきた時のお話です。朝の7時半から広島から来ていた先輩と、いつもお世話になっているKさんと犬4匹に付いての探索。山の中の道なき道をひたすらKさんについて歩き回ります。結果から言うと、自分たちのグループはイノシシには遭遇しませんでしたが、他のグループが若い雌のイノシシを仕留めました。3回目の参加でも、まだ一度も犬とイノシシの格闘には出会ってはないのですが、それでも毎回行って良かったと思わせてくれる内容です。なんせ普段出来ないような山歩き、獲れたて新鮮な個体での解剖学の復習、そして豚とも牛とも違う絶品イノシシに舌鼓。いやもう、ほんとプライスレスな経験です。

本題に戻って、カイロプラターとしてこの狩猟で毎回驚かされるのが、今年67歳になるKさんの運動能力。今回は途中10分程度の休憩3回を入れて計4時間の山歩き。山歩きというより崖に近いところをボルダリングのようによじ登ったり、下ったりも含めてトータル1万4千歩。1年ぶりで最近運動不足な自分はもう後半脚がガクガクでしたが、Kさん曰く一番簡単なくらいのコースを選んだとのこと。Kさん持久力も全然あるんですが、驚くべきはその驚異のスピード。なんだかんだ自分も田舎育ちなので、小学生の時はたまに崖で遊ぶことはあったし、山の上の某中学高校時代は舗装されていない山道を時々走って帰ってたりしたので、それなりに自信はあったのですが、下りでは全くもって追いつけません。身の軽さが有利に働く登りと違って、下りは多少重いことは関係なく、「下肢の筋力」「股関節の柔軟性」「バランス感覚」「どこに足を着き、どこを掴むかの瞬時の判断力」「集中力」等々のトータルの能力が問われます。狩猟グループの中には70代後半の方もいて、どうしても普段当オフィスで診させてもらっている同年代の方々と比較してしまい、毎度感心どころか感嘆させられます。

農業用ハウスの屋根で作業する90代

更に身近な例がぼくの祖父、今年93歳。元々大規模にメロンやネギをメインに作ってましたが、さすがにこの5年で体力の衰えを感じてほぼ農業は引退。とはいえ現在でも、お米やスイカ、トマトを毎年作っています。トラクターやコンバインも使いこなし、ぼくでも扱いがしんどい管理機(畝を作るための機械)も扱い、台風でハウスのビニールが破けたら張り替えの為に屋根にも登ります。体力は落ちたものの、「筋力」や「バランス感覚」は90代としては目を見張るものがあります。

管理機を押す祖父

ハウスの梁に登って作業をする祖父

脚立の上で作業をする祖父

健康の秘訣

その他、お二人の共通点として、記憶力が素晴らしいことが挙げられます。人の名前をパッと覚えて、しばらく会ってなくても、会話でパッと出て来ます。以前は脳細胞は増えることはないと言われていましたが、記憶を司る海馬にある脳神経は運動刺激によって増えることが最近の研究で判明していることから、2人の記憶力の良さはやはり生活スタイルに起因しているのではないかと思います。

このように運動機能や認知機能を高齢でも高レベルで維持する為には、歳を取って健康を意識し始めて急に運動を始めてもどうしても無理があります(もちろん、やらないよりはずっと良いですが)。やはり小さい頃から自然に慣れ親しみ、身体全体を使って自然で遊ぶということを大人になっても継続していることが秘訣になっているのではないでしょうか。

こんな方々が身近にいる田舎とはいえ健康な人が多いかというと、実際はそうでもありません。なんせぼくの周りでも普段数百メートル移動するだけでも車を使う人が多く、よほど普段から意識して動いてない人は歳を取ってから大変な目にあうでしょう。

ということで、ぼくもとりあえず冬の間は月に1回はイノシシ狩りにお邪魔させて頂こうと思います。